家でドラムを練習したいけれど、騒音や振動で近隣に迷惑がかかるのでは?とお考えではないでしょうか?
電子ドラムを購入するにあたり、最も気がかりなのは騒音です。
電子ドラムにすれば音はしないから大丈夫?
たとえ電子ドラムを購入したとしても、それだけでは騒音と振動を抑えたことにはなりません。
騒音を考え電子ドラムにするのはもちろんのこと、その他にも防音・防振対策をすることをおすすめします。
うちは分譲マンションの2階以上に住んでいいます。
できる限りの防音・防振対策をしましたので紹介したいと思います。
【参考】うちは分譲マンションの2階以上の角部屋です。構造は鉄骨鉄筋コンクリートです。
自宅の環境を確認
防音・防振対策をすれば全てのマンションで電子ドラムが大丈夫という訳ではありません。
マンションの構造や規約、近隣住民の生活環境や感じ方などにより大きく左右されます。
騒音トラブルになってしまわないように以下のことを事前に確認しておくとよいと思います。
マンションの規約を確認する
賃貸物件の場合は「楽器可」「楽器相談可」と許可されていない限り、原則楽器演奏は禁止になっています。
たとえ、「楽器可」であっても、防音対策をしないで好きな時間に演奏しても良いということではありません。
分譲マンションの場合は規約に楽器演奏の時間帯や楽器禁止などの項目があればそれに従います。
楽器演奏が許可されていても、防音・防振対策をしっかりとして、常識的な時間内でなるべく軽めに叩くことを心掛けましょう。
マンションの構造を確認する
お住いのマンションの構造を確かめましょう。
マンション・アパートの構造は大きく分けて3つあります。
- 鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)又は鉄筋コンクリート(RC)
- 重量鉄骨・軽量鉄骨
- 木造
この中で防音性が一番低いのは木造です。軽量鉄骨もほとんど防音性がありません。
木造や軽量鉄骨の集合住宅にお住いの場合は電子ドラムの購入はトラブルになりかねないのでおすすめしません。
防音性が一番高いのは鉄筋コンクリート構造(SRC・RC)のマンションになります。
そして、鉄筋コンクリートに住んでいたとしても、壁や床の厚さや素材などでマンションによって防音・防振性能はピンキリです。
マンションの規約や構造以外にも近隣住民の生活環境や騒音の感じ方などは人それぞれなので、防音・防振対策をしても絶対に騒音問題が起きないという訳ではないということはご了承ください。
防音・防振の電子ドラムを購入する
電子ドラムの演奏音自体はヘッドホンで聞くので消音です。ですが、スティックでドラムを叩く打撃音やキックペダルを踏む振動などはかなりあります。
なので、マンションでドラムを叩きたいなら、なるべく防音・防振性能に優れた電子ドラムを選ぶ必要があります。
選ぶときのポイントを紹介します。
メッシュパッドの電子ドラムを選ぶ
まずはスティックでドラムを叩く時の打撃音が少ない電子ドラムを選びましょう。
パッドの材質にはメッシュパッド・シリコンパッド・ゴムパッドの3種類ありますが、この中でも一番静かなのはメッシュパッドです。
なので、防音を重視するならメッシュパッドの電子ドラムを選ぶと良いです。
ただしシンバル類はゴム製しかありません。叩き方に注意するか、さらに防音のための対策が必要です。(あとで紹介します)
メッシュパッド
ゴムパッドやシリコンパッドよりも打撃音が小さい。ゴムパッドに比べて生ドラムの感覚に近いが高価。
シリコンパッド
ゴムパッドよりは打撃音が小さいがメッシュパッドには少し劣る。メッシュパッドよりも生ドラムの感覚に近いが高価。ヤマハ製のドラムに採用。
ゴムパッド
一番リーズナブルで耐久性に優れていますが、メッシュやシリコンに比べると打撃音はかなりします。
ペダルはビーターレスのキックペダルKT-9キックトリガーペダルを選ぶ
ドラムで最も気になる騒音といえばバスドラムです。バスドラムを鳴らすために踏むキックペダルのドンドンという振動とビーターでバスドラムをならす打撃音は何も対策しなければかなりの騒音です。
このバスドラムの騒音を解決してくれるのが、ビーターレスのRolandKT-9キックトリガーペダルです。これが今のところ一番静かなタイプです。
このKT-9キックトリガーペダルは静粛性を重視したペダルです。
まずビーターがないので、バスドラを叩く打撃音は一切しません。
そして、ペダルを踏みこんだ時にもペダルプレートが下までいかない構造になっているスイッチタイプなので低振動です。
うちでも使用していますが、ホントに静かです。
スティックでドラムを叩く打撃音の方が大きいので、ペダルを踏む音は全く気になりません。
スイッチタイプなので生ドラムのキックペダルと踏み込む感覚が違うという意見もありますが、それよりも何よりも振動には絶大な効果あり!
多少踏み心地は違いますが長男は問題なく使っています。
騒音問題が気になる場合に静粛性を求めるならこのKT-9ペダル一択です!!
以上のことをふまえて、購入したドラムセットはこちらです。
Roland / TD-1DMK KT-9キックトリガーペダルセット
購入したのはRolandのTD-1DMK KT-9キックトリガーペダルのセットです。
電子ドラム本体にビーターレスのペダルのRoland KT-9キックトリガーペダルが付いたセットです。
電子ドラム本体はRolandのTD-1DMKです。こちらはスネアとタムすべてにダブルメッシュヘッドを使用していて、抜群の静粛性と自然な打感を実現しています。
そして、先ほど紹介した静粛性重視のビーターレスのKT-9キックトリガーペダルがセットになっています。スティック、イス、ヘッドホンも付属しています。
メーカーは安心のRolandです。ドラムを選ぶならRolandかヤマハというのが定番です。このセットはRolandの中でも価格10万円を切る低価格のセットで、とても充実したセットです。
現在はRolandのTD-1DMKとKT-9キックトリガーペダルのセットは販売していません。こちらはTD-1DMKドラムセットです。↓
RolandのKT-9キックトリガーペダルとセットのドラムセットはこちらになります↓
KT-9キックトリガーペダル単体で販売しています↓
防振対策のためディスクふにゃふにゃシステムを設置する
防振・防音を重視した電子ドラムを購入するだけでは、まだ近隣への配慮は不十分です。もっと徹底的に防振・防音対策をしましょう。
そこで、防振対策のためにディスクふにゃふにゃシステムというシステムを部屋に設置して、その上にドラムを置いて演奏します。
ディスクふにゃふにゃシステムとは?
ディスクふにゃふにゃシステムはドラムの振動を軽減する自作システムです。
バランスディスクを使って浮島のような土台を作ってその上にドラムを置いて演奏すると、バランスディスクに振動が吸収されて振動が低減できるというものです。
けっこう有名なシステムで、作っている方は大勢いるようです。
↑横から見るとこんな感じです。バランスディスクの上にマットで包んだ板がのっていて、その上に電子ドラムのセットをのせています。
わが家で作ったディスクふにゃふにゃシステムを紹介したいと思います。
ディスクふにゃふにゃシステムの構成
わが家のディスクふにゃふにゃシステムは以下の図のような構成になっています。
必要なスペースは133cm×135cmです。
準備するもの
わが家のディスクふにゃふにゃシステムを作るのに必要な材料や道具を紹介します。
費用は合計で13,000円ぐらいかかりました。
必要なものをそろえてしまえば、作るのは難しくありません。
バランスディスク4個
バランスディスクは4個必要です。空気入れもついています。
Yahoo!ショッピングで2個1,680円(税・送料込み)で買いました。
低反発ラグパッド 1枚
ニトリで低反発ラグパッド(185×185ラグサイズ)を購入しました。一番下に敷くためと、板につけるために必要です。必要な大きさにカットして使います。 4,064円(税込)
コルクマット(ジョイントマット)9枚
「弾力に優れているコルクマット 30cm9枚入り」をニトリで購入しました。他のコルクマットやジョイントマットでも代用できます。バランスディスクを挟むのに使います。712円(税込)
デスクカーペット 1枚
110cm×133cmサイズのカーペットを買いました。110cm×130cmのデスクカーペットでも問題ありません。低反発ラグパッドの上に敷きました。お好みのカーペットで良いと思います。スペースの関係上、133cmの方を横にして、縦縞模様になるように敷いています。私は一番安いこちらのカーペットを買いました↓
構造用合板 1枚
ホームセンターで厚さ1.2cmの合板を「70cm×115cm」にカットしてもらい購入しました。ネットでも売っていますが、割高なのでホームセンターで購入した方が良いと思います。ホームセンターで1500円ほどでした。
カーペット用両面テープ
板といっしょにホームセンターで購入しました。500円程度。ラグパッドを板につけるときに使いました。
タッカー
タッカーは大きなホッチキスのようなものです。100均のダイソーで500円のタッカーと替え芯を購入しました。合板にラグパッドをつけるのに使用しました。
ビニールひも
コルクマットとバランスディスクがずれないように固定する用です。家にあるものでかまいません。
ハサミ
ラグパッドを切るために必要です。布を切る裁縫用の裁ちばさみなどのようなよく切れるハサミがあると便利です。家にあるものでかまいません。
長い定規・メジャー
ラグパッドを必要な大きさに区切るのに必要です。なるべく長い定規やものさしがあると便利です。家にあるものでかまいません。
油性ペン
ラグパッドを必要な大きさに区切るのに必要です。家にあるものでかまいません。
ディスクふにゃふにゃシステムの作り方
1.ラグパッドに必要な大きさの線を油性ペンで書き、線のとおりにハサミで切る。
2.ラグパッド②③④をドラムを設置するスペースに敷く。④は②の上に重ねます。
3.ラグパッドの上にデスクカーペットを敷く。その時に④のパッドがのっている部分を24cm程度あける。
4.バランスディスクをふくらませて、コルクマットで挟みビニールひもでしばる。同じものを4個作る。バランスディスクはあまり膨らませ過ぎないようにしてください。
5.4のバランスディスクをデスクカーペットの上に置く。板の大きさの70cm×115cmに収まるように配置します。少しハの字型になるように置くと良いと思います。
6.合板にカーペット用両面テープを貼り、両面テープを剥がして、板をひっくり返して①のラグパッドの裏面中央に貼り付ける。
7.ラグパッドの四隅をカットする。
8.ラグパッドの余った部分を板の裏にまわし、タッカーでとめる。
9.8で出来上がったラグパッド付の板をバランスディスクの上にのせる。
10.板の上に電子ドラムを設置したらディスクふにゃふにゃシステム完成!
イスは板の上には乗せませんよ。
↓横から見るとドラムが浮いた台の上にのっているのがわかります。
【補足】電子ドラムが台から落ちないように、電子ドラムの脚のあたりに釘を打って電子ドラムの落下防止対策をしました。
余ったラグパッドでさらに防音
ゴム製のパッドでできているシンバル類は打撃音が大きいので、余ったラグパッド⑤をシンバルの形に切って、穴をあけてとめました。↓
ライドシンバル(本当はキックパッド)には食器用スポンジをカーペット用両面テープで張り付けています。↓
余ったコルクマットとラグパッドはペダルの下に敷いています。↓
防音・防振の効果は?
毎日長男がドラムを練習しております。電子ドラムは子供部屋に置いてありますが、リビングにいるとパッドを叩く打撃音は聞こえてきます。しかし、テレビの音が聞こえない程の騒音ではありません。
ドラムは玄関に近い部屋においてありますが、玄関から外の共用廊下部分に出て外への音漏れを確かめましたがほとんど音は聞こえませんでした。
なので、お隣には音は響いてないのではないかなと思います。
ディスクふにゃふにゃシステムとビーターレスのキックペダルのおかげで振動音はほとんどしません。
なので、階下に響く振動はあまりないのではないかと思います。
ただ、無音・無振動になったわけではないので、これからも常識的な時間の範囲内で叩きすぎに気をつけるように注意しながら様子をみていきたいと思います。
さいごに
電子ドラムを防音・防振対策に特化したものにして、さらにディスクふにゃふにゃシステムを設置することによって、かなり騒音対策になっているのではないかなと思います。
今のところ苦情はいただいていません。
楽器の中でもドラムはかなり音や振動があるので、何も対策しないで演奏すると騒音トラブルになりかねません。
これから電子ドラムの購入を考えている方は、できる対策はしっかりとしてから始めると良いと思います。
ピアノの寿命や買い替えの流れはこちらで紹介しています↓