長男(中2)はとても心配性です。
今までも重病を疑って何度も病院へ行っています。
今回は、両方の乳首にしこりがあると言い出して、自分は乳がんではないかと本気で心配していました。
結論から言うと、乳がんではありませんでした。
乳首にしこりのようなものができることは男子中学生には割とある話のようなので主な原因と長男の病院へ行った時のエピソードを紹介したいと思います。
男子中学生の乳首にしこりができたらおそらく女性化乳房症
男性の中には「胸がふくらんだ」と訴える人が一定数いて、それが「女性化乳房症」と言われます。
原因は女性ホルモンの過剰分泌です。
女性の胸の成長と同じように乳腺の発達で起こるため、乳首の中にしこりができたようになり痛みを感じることもあります。
この症状は思春期にさしかかった中学生~高校生に多くみられます。
これは思春期初期に男性ホルモンに比べ、女性ホルモンの分泌が多くなるためで、のちに男性ホルモンの分泌が増えてくるので1~2年で症状が消えます。
男性の7人に1人ぐらいの割合で思春期に乳首にしこりや乳首が痛くなったりを経験しているという調査もあります。
旦那さんも中学生の時に経験していた乳首のしこり
長男が乳首にしこりができたと言ってきた時に、うちの旦那さんも中学生の時になったと長男に言いました。
「結構みんななるし、自分もなってて自然に消えたから問題ないよ。乳がんなわけないだろ。」と長男に言いました。
「みんななってたの?」「両方の乳首?」「どれくらいの期間?」「痛みはあるの?」「左右同時にできるの?」などと長男は質問攻め。
旦那さんも中学生の頃のことなのでそんなにはっきりとは覚えていません。
長男は納得できなかったようで、ネットでいろいろ調べたはじめました。
男性でも乳がんの疑いがある?
乳房にしこりというとまず思い浮かぶのは乳がんです。
長男は色々調べて「女性化乳房症」のことも調べました。
中学生の場合はほぼこの「女性化乳房症」だと思います。
ですが、同時に乳がんのことも調べていました。
乳がんは女性に多い病気です。
女性の12人に一人が乳がんを発症すると言われ、男性患者は乳がん患者の中の0.5~1%ぐらいです。
年間でいうと男性患者は500人ぐらいです。
年齢が高くなればなるほど症状がみられ、男性で発症する方のほとんどが50歳以上です。
そして遺伝の影響もあります。
長男は若くして男性が乳がんになる可能性はほとんどありませんという一文を見たそうですが、この「ほとんどありません」にとても引っ掛かっていて、
「0じゃないんだ・・・」と絶望していました。
病院に行かないと気が済まない長男
乳首のしこりが乳がんではないかと気になり、病院に行きたいと泣きそうになって訴えてきました。
今までも何度も病院でしこりを診てもらったことがあるので、私と旦那さんは正直うんざりしています。
絶対に乳がんじゃないから大丈夫。
ネットの情報に惑わされ過ぎだよ。
と何度いっても、何を言っても
「でも・・・だって・・・」という長男。
そんなに病院に行きたいなら、1人で行ってきてと言っても、
「一人じゃ怖い」という長男。
学年末テストも近いというのに、このままでは何も手につかない様子の長男。
呆れながら仕方なく私が病院についていきました。これで何度目でしょう。
心配性すぎてこれまで何度も病院で検査している長男
実は長男はこれまでにしこりができたといって病院に行ったことが何度かあります。
長男の中では「しこり=癌」という図式があるようです。
一度目は私が乳がんの話をしたら、全身しこりを探しはじめて腕にしこりを発見しました。毎日毎日腕のしこりを触って、死にそうな顔をしていました。
毎日死にそうな顔をして生活するので病院に行きました。
何ともないと言われましたが、納得できないようなので、念のためエコーで腕の検査をしてもらいました。結果は異常なしです。
エコーの予約をした日にちになるころにはしこりがどこにいったかわからないぐらいになっていました。
2度目は学校の宿題で被爆者が首にしこりができて白血病になるという話を読んだ時です。
あ、やばいなと思ったのですが、長男はすぐさま首のまわりを入念にさわりだして、首にしこりを発見しました。
もう自分は白血病だと絶望しているので、病院に行ってみてもらいました。
その時にはリンパが腫れているだけだと言われ、リンパの腫れる原因など色々説明してもらいました。
3度目はしこりではありませんが、頭痛がおさまらないから脳腫瘍でもあるのではないかと心配して病院に行きました。
病院では不安を取り除くために、原因があるか検査してくれました。
レントゲンをとり異常がなかったので、大きな病院で頭部のMRIまでして、異常なしでした。
長男の心配性につきあうのも少々うんざりしているんです。
長男は定期的に「しこりがある・・・」と言い出すので「またか・・・」と思って、私も旦那さんもイライラしてしまいます。
病院の先生の対応
長男が病院に行きたがり、テストが近いのに何もできない状態になってしまったので、しぶしぶ近所のかかりつけ医のところに診せにいきました。
受付で「今日はどうされました~?」と聞かれ、私はもう答えるのも何だか恥ずかしいいんですけれども、
「乳首にしこりがあるのが気になるみたいです」と答えました。
そして先生の診察。
先生は長男の乳首をさわってしこりを確認し、ギュッとつまんで「これは痛い?」と聞き、また角度をかえてギュッとつかんで「これは痛い?」と聞きました。
左右確認して診察終わりです。
先生は長男の不安を察してか
「これは乳がんではありません。心配するな。」と最初に言いました。
先生は乳房と乳腺の図を見せて、
「男性にも乳腺があり思春期には男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れるから男性でも乳腺が腫れてくることがあります。
今は女性ホルモンが多く分泌されているけど、1年ぐらいすれば自然におさまります。」と女性化乳房症の話を詳しくしてくれました。
長男はそこで
「でも、右と左に同時にできたわけではなくで左右しこりができた時期が違うんです!!」と先生に質問。
先生は
「人間は左右対称ではなくて、非対称にできているから左右同時にできなくても何も不思議ではないよ・・・」と色々説明してくれました。
さらに長男は
「ぼくにはまだ疑問が。首にもしこりがあるんです。転移してるのでは?」
先生は首のしこりを触って
「これはリンパが腫れてるだけだね。君はアトピーがあり、今首に炎症をおこしているから、リンパが腫れて抵抗しているんだよ・・・転移する場合は、まず体内の流れとして左側に転移するんだよ。君のは右側だから問題ないよ・・・」と説明してくれました。
そして、長男は
「でも、でも、リンパがこんな固く丸くなるんですか?この太い血管のすぐ横にあるんですけど」
先生は、動脈、静脈、リンパ腺の図を見せながら丁寧に説明してくれました。
「君のは乳がんではないから大丈夫だよ。だから今日は薬もなし。心配するな。」と念を押されました。
長男は自分の疑問が解決されて、先生に「乳がんではない、心配するな」と言われて、やっと安心したようでした。
私が先生に
「先生ありがとうございます。家でも大丈夫だと色々説明したのですが、自分でネットであれこれと調べてどうしても心配になってしまったようで」
と言うと、先生は
「疑問に思ったことをネットで調べて知識を増やすことはとても良いことだと思うよ。
ただネットだけの情報だとうそか本当かもわからないし、逆に視野を狭めてしまうこともあるからね。
疑問に思って心配ならば、またいつでも診せにこればいいよ。」
そして長男を見て、
「長男くん、しっかりした子じゃないか。先生はいいと思うよ。」
とおっしゃっていただきました。
まさに神対応。
しぶしぶ病院についてきた私ですが、私もすがすがしい気持ちになりました。
長男は帰る時には
「良かった、良かった。なんでもなくて。先生に診てもらってスッキリしたよ。」と。
これでやっと気持ちを切り替えてテスト勉強をやれそうです。
そして、長男はネットの情報をちょっと変な方向にとらえて、惑わされ過ぎていたことを反省していました。
さいごに
中学生の男の子にできる乳首のしこりはほとんどの場合、問題ないと思われます。
ここで私は「絶対に問題ない」とは言い切れないので、ネットで色々検索すると余計に混乱することもあるかもしれません。
どうしても気になる場合は病院へ行くしかありません。
長男は本気で悩んでいて何も手につかないような状態になってしまったので、病院に行きました。
病院で診察して問題ないとわかれば納得できると思います。
中学生の男子が乳首にしこりがあると悩んでいたら、女性化乳房症のことを思い出してください。